『その時、橘菜穂がそいつ等に絡まれてたらしい、俺はそんなの知らなかったけど。で、何かなつかれてしまい…』


『そう。で?』


でって…


『後は想像に任せます…』

『お前は自分の首を自分で締める羽目になりそうだな?』

『何だよ?ソレ。恭次に言われたくねぇよ』


あーぁ…。


『ま。精々頑張りなさい』

『どーも…』


大斗はフラフラと屋上に上がっていく。

「全く…」恭次はその背中を見送ると教室へと戻っていった。


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夕陽は杏や新しく出来たクラスの友達と過ごす事が当たり前にあり、いつもお昼に場を外すわけもいかなくなる。

というのは、大斗が顔を出す度、もしくは夕陽が大斗のクラスに行く度、何かと各々のクラスメイトに呼び止められ色々聞かれてしまうのだ。


夕陽と仲良くなりたい男の子や大斗と仲良くなりたい女の子達。

それらの人たちは、クラスが違うことで大斗と夕陽の普段のやり取りをダイレクトに見ていない。

だから2人を見るクラスメイトの目も1年の時とは雰囲気が違った。


正直、ほっといて欲しい…


夕陽と大斗は同じ事を思う日々。


しかし、自然とお弁当を作る機会は毎日になっていく。

いつの間にか…

ただ、いつも大斗と一緒に食べる事もできるわけではない。


そんな約束をしている訳でもなく、どちらもそれを言い出すわけでもなかった。


大斗と居ること…だって…

そんな事、いつもできるわけないじゃない…

男女の友達も難しいのかなぁ…?


夕陽はそんな事に今になって気付くようになる…


周りがうるさいので、大斗は今までより更に屋上に居るようになり、夕陽はそこへお弁当を届ける。

週に1、2回成り行きで一緒に食べるという感じ。


恭次も交えて3人なのが大体だった。


『恭次くんは南深呼ばないの?』

とお弁当箱を手渡しながら言う夕陽に

『昼休みくらい離れてってさ…』

とわざとらしくションボリ答える恭次だった。

すると


『ごめん…今日教室戻らなきゃなの…』