大斗はゆっくりと身体をあげる
『いつまで寝てるのさ?もう帰る時間だし。』
目の前に呆れている恭次。
『あぁ…ダルい』
大斗は再び寝に入ろうとする。
『大斗の為にも言っとくけど、俺はもう南深が居るからさっさと帰るよ?置いてって良いわけ?偉い目に合うぞ?』
とクラスの周りやドア付近を見るように促す。
そこには大斗とお近づきになりたいと願う女の子達が彼が目を覚ますのを待ち構えていた。
『だる…』
確か…中学2年で恭次と同じになった時も偉い目に合ったんだった…
さすが黙っていても女が寄ってくる大斗。
それは相変わらず変わらないらしい…
『それに…お前、ひぃちゃんのクラス行かなくていいの?』
『はぁ?何でだよ?』
いきなり夕陽かよ?!
何を企んでいるんだ恭次…?!
また恭次を睨む大斗に彼は深いため息。
『はぁ…、気付いてないなら教えてあげるよ。そりゃ咲ちゃんが常識の大斗にはしょうがない感覚かもしれないけど…』
『何だよ?』
『早く行かないと、ひぃちゃん色んな男に揉みくちゃにされるよ?』
「やれやれ」と続ける。
『そんな大袈裟な…』
『アホだねぇお前。咲ちゃんは世界の最上級だ。それはもう人種が違うレベルでね。でもっひぃちゃんだってかなり可愛いいんだよ?』
それぐらいわかるけど…
『夕陽は今までだって然程たいした騒ぎなかったじゃねぇか?』
『バカだねぇ…それは、ひぃちゃんの天然ぷりと大斗のせいだろ?』
『はぁ?!俺?!』
『大斗が自分でも気付かない内に、ひぃちゃんとしょっちゅう一緒に居るから、周りもビビって近づけない雰囲気だったんだろ?大斗とひぃちゃんはお互いの存在により、周りの影響を中和してたの。だからクラスでは騒ぎなかっただけだからね…』
と一気に説明する。
『はぁ…』
いまいち納得しきれていない様子の大斗だが…