ふぁぁと暖かい空気が部屋に躍り込む。

思わず窓辺に立ち尽くした。


『わぁ♪あったかい風♪』


それに気が付いた夕陽が手際よく作った朝食を運びながら言った。


『すげー天気いいな』

『うん♪』

2人の間にほのぼのとした温かい空気が流れていく。


""いいなぁ…こういうの""


2人はそんな事を同時に思っていた。


って…


おかしいよね?

このシチュエーション…!?


夕陽はハッと気付いてしまった。


なんで"甘い夜"を過ごした後の朝の恋人同士みたいな和みをしてるの?


『いただきます♪』


夕陽の戸惑いなど、全く目に入っていない様子の大斗は、もりもりご飯を食べている。

『うまい』

『あぁああありがとう』


「何どもってるの?」と言いながら大斗はあたしを不思議そうに見ている。

あぁもうなんか変っ

だから


『あぁそうだ!!お茶もってくるね』


と少し挙動不審で立ち上がった。

と…


ガァンッ!!


『あぶねぇ!!?』


大斗の言葉もむなしく、あたしはコタツの角に膝を強打っ


『いったぁぁぁっ!!』


痛さのあまり、しゃがみ込もうとしたらバランスを崩して更に転んで倒れてしまった。


痛いっ!今度は床にぶつかるっ!!



と思って怖くて瞳を瞑った。





…?



あれ?


痛くない…?


ほっ。として瞳を開いた…っッ


??


なんか…

床が暖かいし、床のわりには柔らかい…?










うわぁぁぁあぁっ!!!!!


びっくりし過ぎて逆に声にならなかった…


『夕陽ちゃん…朝から積極的ね♪』


なんて声が耳元でする。

思わずその状態でフリーズ。


どうなったか考えてみる…


うわぁぁぁあぁっ


あたしは転んだ拍子に、大斗をまるで押し倒しているみたいに上に被さっていた…

更に覆い被さっただけでは、落下の勢いは落ちなくて、自分の顔は大斗の胸というか顔の横というか…

肩の上というか…にあって…