こうして、高校1年生はあっという間に終わってしまった。

春休み。


ピンポーン ピンポン ピンポーン ピンポーン



夕陽は、けたたましいインターホンで起こされた。


『誰よ…?まだ8時だし』


って、時間無視してこんなに失礼にチャイムを鳴らすヤツは世界で1人だわ…


ぼーっと下に降りてインターホンをとり


『―ッバーカ!バーカ!バーカ!』


ガチャ。


受話器を降ろした。


ピンポン ピンポン ピンポン
ピンポーン ピンポン ピンポン ピンポン


えぇーい!!しつこい!!


ズカズカと廊下を歩いてバンッと玄関を開けた。

『勧誘はお断りなんですけど』


そんな夕陽のセリフをスルーして、訪問者はズカズカと侵入。

『お前、いきなりバカの3連発なんて、朝から気分悪くさせんなよ』

大斗はそう言うと夕陽の前を通りすぎ当たり前のようにリビングに入っていった。


『気分悪くさせるのはどっちよ?大斗には人の都合って無いの?』

『無い』


あたしの目の前の悪魔の遣いはキッパリ言い放った。


なっ…。


言葉が出ないとは、これを言うんですね…


『で?何の用?』

『あー♪夕陽ちゃんの寝起きの顔を拝みに♪』


ニヤリとあたしを眺めて言う

目の前には悪魔の遣い改めて…

正真正銘の魔王が佇んでいた。


って―

!!


『きゃーっっ!!』


あたし、パジャマでスッピン!!ちなみにチョンマゲッ…!!


『この変態!!』


あたしは近くのぬいぐるみを投げつけて洗面所に走っていった。


酷すぎるっ


真っ赤っかな夕陽は慌てて顔を洗う。

『はい、タオル』

『ありがとうっ―ッてっなんで来るのーっ!!』

大斗は満面の笑みで夕陽にタオルを差し出していた。

『大丈夫♪スッピンも可愛いよ♪』