『クスッ。いーよ♪あたしの出来る範囲で』


大斗は"わかるのか?"とびっくりした顔をしていた。


『だから…あたしのことも』


今度は大斗がクスッと笑って

『しょうがねぇなぁ』

と答えた。


今までバカな事、沢山したけれど…


"これからを見てて"


ね…?


――――
――――――


『ブッハッ!!』

夕陽のクラスに来た恭次は、思いっきり吹き出し笑い転げている。

『お前!!傑作だな?!何があったか、なんとなく予想出来るけど、マジで見事だ!!』

大斗はふて腐れて足を机に上げて座っている。

『黙れバカ犬!!』

南深と杏も大斗を凝視。

『神崎くん似合ってるよ』

南深が笑顔で言っていた。

『さすが!!神崎は金髪もいいじゃん♪』

素直な誉め言葉に何も返せない。


だから予想通りなんだって…この騒ぎ


夕陽はそんなクラスの状態も知らずに呑気に登校。

教室の前まで来るとドアから色んな人が次々と中を覗き込んでいるのに気付いた。


何かあったかな?


人を掻き分けて中に入ると…

見事な金髪の大斗と瞳が合った。


あぁ…

みんな大斗を見に来てるのか…


『きゃぁ♪可愛いおさるさんがいるぅ♪動物園に連れていかなきゃ♪』

と大声の夕陽。

『誰のせいだ?誰のっ?!』

ブツブツ大斗は言っている。

笑いを必死に堪えながら夕陽は

『そっか…学校来ないかと思ったけど、もうこれ以上サボったら大斗ちゃん進級危ないんだっけぇ??』

「あっははははー」と吹き出した。

『ひぃがやったの?』

『クスッ』

意味深な笑いで杏の問いに夕陽は答える。


この人だかりは大斗の坊主頭観覧かぁ…♪


『大斗っ人気者は辛いわね♪坊主でも株は落ちないみたいでめでたいわ♪アハハッ超笑えるっ!!』

未だに笑い転げる恭次に続いて夕陽も大爆笑だった。