『大斗。残念だが、ここは1つ観念しろ』
するとガバッとマスターは大斗を後ろから羽交い締めにした。
『反省坊主決定♪』
そしてニヤッと笑った夕陽はハサミを握って大斗に近づいてくるではないか…。
『お前等…マジかよっ?!バカ!!ふざけんなっ!!』
『ハサミで許してね♪大斗ちゃん♪』
ジャッキンッ!!!
『うわぁぁぁああ!!』
パラパラと大斗のサラサラな髪が床に落ちていく。
『暴れると自慢のお顔にキズが付くわよぉ♪』
スイートブルーの隅は大騒ぎ。
しばらくすると…
『ハサミのわりには綺麗じゃない♪』
満足そうに笑みを浮かべる夕陽と
ブスッたれた、見事に坊主にされた大斗の姿。
『『ぷっ♪』』
マスターと夕陽が同時に吹き出した。
『昔を思い出すなぁ♪』
『生で見たかったのっ♪中々似合うじゃない♪』
『お前等…覚えとけ』
大斗は真っ赤になって言った。
こうして、無事に2人の仲直りは済んだ…らしい。
――――――
夕陽を送り届けて彼女の家の前。
『寒っ』
メットを外すと思わず言った坊主大斗。
『ぷっ』
また吹き出す夕陽。
バッ!!
『きぁぁあっ!!スカート捲るな!!ガキ!!』
夕陽の蹴りを回避すると
『今から金髪にしてやる』
と大斗の決意。
クスクス クスクス。
『で。お前…結局、どうしたんだよ?』
大斗は急に真面目に聞いてきた。
『え?何が?』
何がって、1つしかないだろうがボケッ!!
『何がって…戸塚…』
大斗は視線を外して小さく聞いた。
『え?雅君?……』
『あのなぁ…?』
夜風と一緒に夕陽は呟く。
『断った…よ』
告白…の事だよね…?
『ならいい…』
『へ?』
ったく…あんぽんたんは夕陽だよ、マジで…
『俺さ、ちゃんともっと色々考えるよ、前も言ったけど、もっと…。女遊びも止める。だから…』
あたしは…そこに続く大斗の言葉がなんとなくわかってしまった。