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『もうすぐ…1年生も終わりかぁ…』

教室で机に顔をつけて、空を見ながらしょんぼり夕陽は呟く。


なんか…"華の高校生"生活が確実に流れていくような…


『ひぃ!!魂飛んでるよ?!』

杏がダラけている夕陽に突っ込んだ。

『みぃちゃん…っ!!あんちゃーん!!』


バッ!


と夕陽は顔を上げた。

『どっどうしたの?ひぃちゃん!?』


恋したい!!恋したい!!恋したい!!


『うわぁーん!!』

そう言って泣き真似をしながら夕陽がすがり付くので2人はたじたじ…


『何かあったの?』

心配して顔を覗き込む南深に…

『何にもなさ過ぎて、かなじーのー!!』


そうなのぉー!!


と大袈裟に更に泣き真似をする。


『ったく…朝からうるせぇなぁっ』

そこへ大斗がやってきた。

『神崎くんおはよぉ♪』


―――ッ

大斗…っ!!


そもそも…あたしの青春は大斗の自己中に飲まれているんじゃ…?!


独りそんな事を思って夕陽は無言で大斗を睨み付ける…

『お前…朝から俺にガン垂れるとは良い度胸だなぁ…』

怪しい笑顔を浮かべると大斗は夕陽に近づいてきた。

『ちょっ…寄らないでよ…』


ジリジリにじり寄ってくる大斗に夕陽は押され後退り。


すると…


『ひぃっちゃぁぁん♪』

ドアの方から夕陽を呼ぶ元気な声がした。


『恭次くん!!助けて!!』

夕陽はパッと声の主、恭次の元まで行ってその影に隠れた。


『あらん♪大斗ちゃんおはよ♪』

にやにや笑いながら大斗にも挨拶をする恭次。


恭次のヤツ…


先日の夜のやり取りの後だ。

夕陽と絡む大斗を見て、訳知り顔の恭次だった。


『あ♪ひぃちゃん♪これお返し♪』

そして何かを夕陽に渡す。

『昨日南深と買いに行ったの♪ハッピーホワイトデー♪』

『あ、ありがとう♪』


みぃちゃんとお返し買いに行くのね…?

もらっていいのかなぁ…?


と思って南深を見ると、にっこり笑っていた。


あっいいんだぁ♪