よかった…
でも…
また、夕陽の跳ねる声を聞いて、独り真っ赤になってしまった。
俺…変な人になったっぽい…
でも…
帰るか…
…
とりあえず平常心で…
大斗は新しく煙草を点けて歩き出した。
― ― ― ―
『ただいま』
本日2回目。
『あ♪おかえりぃ!!』
今度は明るい返事が返ってきた。
「おかえり」って…
ちょっと良い響きだな…
やば
理性…理性…
何があったかは知るよしもない夕陽は、温め直したおでんをテーブルに置いた。
大斗は自分に念を押して座る。
『服…勝手に借りちゃったの…』
夕陽は申し訳なさそうに俺を見る。
『お前が風邪ひかなきゃいい』
妙な緊張がバレないようにと思ったらつい素っ気なく答えていた。
だけど、
俺の態度に不安気な夕陽の顔を見てたら…
緊張というよりも、なんか笑えてきた。
『プッ。間抜けな顔…』
と呟いた。
『もうバカ大斗!!』
とりあえず今はまだ、いつも通りにしてればいっか。
『つーか、玉子俺のだ!』
『えっ?ヤだ!!あたしが食べたいっ!!』
『最後の1個だったんだよ?!返せ!!』
『取るなぁーー!!ってうわ!!あ゙っっ丸飲みしたしっ!!』
ゲェッホ!!
『うわぁ!出さないでよ!!汚い!!』
『じゃぁ揺するな!あぶねぇな!!』
アハハハハー!!!
ほら。
やっぱり大斗とは、すぐ気まずいのとかなくなるんだ♪
こうやってバカやっているのがすごく楽しい。
夕陽は大斗の気も知らず、そんな事を呑気に思っていた。