いちいち復唱すんなよタコ…ッ!!

しかも若干話着色されてるような…?!



大斗は何にも言えなくなって、ただ恭次を睨み付けるだけだった。


『それで「助けろ!!」かぁ♪』


間違いない。

笑われたって、恭次の言う通りだ…


『神崎大斗らしからぬ、余裕がなくなっちゃってるんだね』


ブハッとついに恭次は吹き出した。


コイツ…


『安心しなよ。お前も普通の男の子だな。俺だって同じ状況だったらムラッてくるよ』

そう言って大斗をパシパシ叩く。


『死ね』

そして恭次は手を止めると


『ってゆーか、大斗にもついに理性が働いたのね?』

と不敵に笑う。


『何だ?それ』

大斗はきょとんと質問。


『普通はね、「理性」がある上で、「本能」がそれより上回って時にとんでもない事しちゃうんだよ。普通の人は「ここまでしても平気」って「理性の基準」が元からあるわけ』


なんだ?それは…?


『でも大斗は今まで自分がしたいって思った事を止めた事無いだろ?止めようとする気もなかったよな?ちなみに、「それをしたら駄目だ」と思った事も無しだろ?』

『うん』

即答。


『ある意味考え無し、思い付いたままを素直にしてただろ?それが「本能」』


恭次の顔はさっきと討って変わって真面目に話している。


『それは、わかるような…?』


『理性はさぁ、「本能の勢い」でやりすぎそうな事を察知して、止めてくれる部分ね。わかる?』

『なんとなく…?』


『大斗はもとから「理性の基準」なんてなかったから、「本能のみ」で行動してたけど、やっと自分の行動止める「理性」が働いたのだよ。おめでとう!!君も一般人昇格だな?』

『恭次…だんだん分からなくなってきたぞ…』


『うーん。悪い悪い。結局、だから大斗はひぃちゃんの事が好きなんだよ。』



恭次はあたかも当たり前と言うようにサラリと言ってのけた。


『はぁ?!何でそうなるんだ!!』