――――――


『何だよ?今、夜中の1時過ぎだけど…お前は俺を夜這いに来たの?』


そう言って、ダルそうに恭次は玄関から出てきた。


『いきなり電話出たら「助けろ!!」だし、何事かと思ったら別に元気じゃん…』


だよなぁ…?

着信10回くらいしたもんな…


『見ず知らずのヤツとでも喧嘩でもしてたのかと思った。』


『喧嘩なんて今さらしねぇよ。夜這いなんだ…ヤバイんだ…違う、ギャグじゃねぇ。俺の身体、元気過ぎて…』


大斗はブツブツ何か言っている。

そんな大斗を見て


『わかった落ち着けよ。ちゃんと聞くから、外行こうぜ。着替えてくる』


恭次は家に入ていった。


― ― ― ―


そして近くの公園へやって来た。

『どうしたの?』

大斗は、はぁーと大きなため息を吐き煙草を点けて空を見上げる。


冬の綺麗な星の空。


『今…俺の家に、夕陽が寝てる…』

『うん♪なぁに♪』


恭次は途端に、にやにや見てくるけど、もう俺は突っ込む力もない。


『夜、アイツは俺ん家の玄関前で5時間も俺を待ってて身体超冷えきってて…』


大斗は今日あったことを素直に話した。


― ― ― ―


『で。フラッと寄りかかられてムラっときちゃったの?』


ムラッて…

そんな露骨に…


『あー・・・』


『それで「無理やり風呂入れる」とか言ったの?』


恭次は笑いを堪えながら言ってくる。


『あぁ…』

『更に勢いで「抱くぞ!!今すぐやるか!!」とか言っちゃったのね?!』


『あぁ!!そうだよ!!』

『ひどっ!!さいてー!!』

『わかってるよ!!うるせぇなッ!!俺、地雷踏みまくったんだ!!もうわけわからねぇ!!』

『もぅ…落ち着けってば』

恭次は立ち上がる大斗を宥め座らせる。


『それで終いに、頭冷やす為に外行ったのに…帰って来たら予想外に自分のスエット着て、無防備に寝ているみんなの可愛い♪可愛い♪ひぃちゃんの寝込みを襲いそうになって逃げてきたって事ね♪』