『バカ!!真冬に5時間もこんな格好で外にいるヤツがいるか?!俺が店だったらどうするんだ!!』
思わず大声を出してしまった。
夕陽はスカートもコートも短い。
『熱ないか?』
夕陽のオデコに手で触れる。
『ないな。とりあえず、風呂入れ!!』
しかし、夕陽は首を振る。
すっかり冷えきった彼女は思考回路が働かず、大斗に対し自分がどうしていいかわからなくなっていた。
『ゴメン…』
『うるせぇな!!謝るくらいなら素直に風呂入れ!!それとも俺が入れてやろうか?あぁ?!』
大斗の怒鳴りにも
『ゴメ…』
ただ謝り続けるだけ。
あっーッ!!
ムカツクッ!!
何のイライラか、すげームカツクッ!!
『あーもう早くしろ!風邪引くから。身体温めろっ!!』
そうして夕陽を引っ張り上げる。
『お前、いつまでもそうしてると、本当に無理やり風呂入れるぞ?!それで俺はお前を抱くぞ?そうだなぁ?それが一番温まる方法じゃねぇか?あぁ?なんなら今すぐやるか?』
俺は…つい半ギレして、頭ん中で思った事を考えもせず言っていた。
しかも片手は夕陽の腕を掴んだまま…
もう片手は壁に突いて、俺と壁の間には夕陽。
まるで彼女をそこに押し付けるようにしていた…
夕陽がパッと顔をあげて俺を見る。
至近距離で瞳が合う。
しまった…
なんかとんでもない事…
言った気がする…
しかもこの体勢は…
俺…なくないか?!
大斗はハッとなり夕陽の顔を凝視。
彼女はびっくりして口をパクパクしたまま大斗を見つめる。
しかも…やばいぞ…
俺…このままだと…
本気で押し倒してしまいそうだ。
『早く風呂入れ。俺外行ってくるから。悪い。つい勢い。別に何もしねぇから安心しろ。なんか温かいモン買ってくる』
我に還った大斗はそう言って、タオルを取りに行き夕陽に押し付けると外に出て行った。
やばい…頭冷やそう…