それから太一とは週に2、3日は会っている。


夕陽の家に来たがっていたけど、家に入れるのは嫌だったから、親がうるさいと嘘をついて断った。


うーん…ラブラブ感なし…。


だから会ってご飯食べて、ホテルで…たまには映画など行った。

sexする以外は付き合う前と一緒。


でも…あまり深くは考えない。


クラスにも大部慣れ、南深と杏とは放課後に遊ぶようになった。

南深はバイトがあって、杏は歌があるから、みんなの都合が合うと、カラオケに行ったりケーキを食べに行った。


ちょっと花の女子高生生活って感じ。


しかし自分の話をするきっかけはなかなかなくて、家の話しなどはしていない。

大斗は相変わらず学校に来たり来なかったりだったが、来ればいつの間にかどこかに居なくなっていた。


更に度々誰かに呼び出されては告白されているようだ。

恭次が毎回噂を聞いて冷やかしに来るが、それには「興味ないの♪」とサラッと返答。


夕陽は「赤い車の咲さん」の話を聞きたかったけど、挨拶程度はしてもそこまでつっこむ機会はなかった。


そんなある日、夕陽がトイレから帰って来ると、大斗が夕陽の机に座って何やらやっている。

『何してんの?』

机の上には夕陽の英語のノート。

『借りてるよ』

と一言…。

どうやら写しているようだ。

『英語無理。先生無理。片桐さん英語得意じゃん?』

夕陽は確に他は全くできないが英語だけはできている。

『でも勝手に見ないでよね?』

『ごめんって。お詫びにこれ見てて良いよ♪』

大斗は自分の机の上にあった「(激裏!!)海外流出!!アジアン美女♪」と言う雑誌を渡してくる。


全くっこればっか…

次はアジアだし!


『こんなのいらない!!』

つい勢いで大斗に蹴りを入れると、うまくスネにヒット。


『ーッイッテェ!!てめぇ、いつも痛いんだよ!!ボケッ!!!』


しまった。

思いの外クリティカルヒットしちやった…。



『おまえっ…』

『ごめん…うまく当たっちゃった♪』

『ふざけんなっ』