月日は、あっという間に2月。
『チョコレートどうする♪?』
学校に行くと、いつになくテンションの高い杏が話しかけてきた。
『あんちゃん…いつもとキャラちがくない?』
『そうかしら?南深は恭次にあげるんでしょ?』
にやにや笑いを浮かべて南深に問いかける。
『う…うん…///』
赤くなった南深は下を向きながら呟く。
『みぃちゃんカワイー♪』
夕陽はそう言って南深を抱き締めるが…
『南深をからかってる場合じゃないよ♪ひぃはどうするの?』
杏は南深に言ったよりももっと満面に笑みを浮かべて夕陽に言った。
『どぅって…』
どうしよう…
誰にあげる…?
大斗…
えっ///??!!
自分が思い浮かべた事に即座に真っ赤になってしまった。
『ねぇねぇ?ひぃちゃんはどうすんのぉ??』
杏のハイテンションはこれを聞きたかったからだっ!!
楽しんでるしっ!!
『もぉーっ!!やめてよ!!マスターとかにあげる♪しげさんLOVEだもん♪!!』
そうだ、拓ちゃんにもあげようかなぁ…///
『ねぇ…みんなで作らない?』
少しうつ向きながら恥ずかしそうに南深が言った。
『いいねぇ♪』
杏はノリノリ
『ひぃちゃんも、みんなに配るよね?』
『あーうん』
義理チョコしか、あげる相手いないのは寂しいけど…
誰にもあげられないのも…
もっと悲しいし…
『あたしんち来ていいよ♪』
南深がにっこり言った。
『『うん♪』』
こうして、バレンタインの前日の日曜日、南深の家でチョコレート作りが決まった。