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『今、思うと騙されたよなぁ…』
話し終わると大斗は言う。
『「騙された」ってゆうか…お兄さんバカ過ぎ…』
『うるせぇっ』
『まっいいや♪肝心の顔写真みてなかったぁ♪』
と前のページに戻る。
半ば制すのを諦めたらしく、大斗は嫌な顔でその様子を見ている。
『あぁ♪恭次くん今より可愛いー♪キャハハー♪』
そして大斗は「楽しそうだな…」とため息を吐く。
『大斗はどこだー??…あ!・・・いた♪
…ぷっっ』
大斗を見つけると夕陽は吹き出した。
『あぁ?何か文句あるか?』
『あははははーっ♪何このキンパツ坊主っ!!プッ!わるそーぉ♪ダッサー!!きゃははー!!』
写真にはキンパツで坊主の大斗の顔。
『朝起きたら髪の毛消失してたんだ?!文句あるか?』
『あはっ♪意味分かんない…』
笑いが止まんないっ!!
『ハサミを握った咲が立ってた…』
と不機嫌に続ける。
『何があったか知りたいかぁ?!ええ?!』
『きゃー大斗がキレたーっ!!』
大斗は夕陽をプロレス技で後ろから締め出した。
『バカ!!離せ!!』
咲さん…
『咲さん、元気かなぁ…?』
そのまま、ふと窓の外の青を見上げて夕陽は言った。
『さぁ』
大斗は素っ気なく返す。
でも…優しい顔をしていた。
咲さんの事を話す、咲さんと話す時の
あの穏やかな顔…
って…うわぁっ!!
大斗と瞳が合っちゃったっ///!!!
パッと離れる2人。
ドキドキ…ドキドキ…
あーっ!!もうっ
『よし!!片付け再開!!』
何食わぬ顔で言って瞳を逸らした。