『お嬢ちゃん♪可愛いねぇ?』

『ありがとうございます♪』

『着物がね♪』


きゃぁ♪なんてチャーミーグリーンなおじ様♪


夕陽がほろっとしていると

『店じまいで、後1つしかできないんだけど、平気かい?』

と聞いてきた。


『いいよ。それちょうだい』

追い付いた大斗が言った。

『あらっ?お嬢ちゃん、彼氏もイケメンだなぁ♪可愛い彼女連れてっこの色男♪』

『だろ?おっさん♪イイ目してる♪』

大斗は即答。


「だろ?」って何に対する「だろ?」っよ?

「色男?イケメン?」それはムカツクから却下。

「可愛い?」あたしが?いやん♪

「彼氏?」??「彼女?」??


って…


『ちっがーう!!』

思わず叫んでしまった。

『わりぃな、おっさん。コイツ軽い妄想癖があるみたい…気にしないで♪サンキュね♪』

と、大斗はたこ焼きを受けとると、まだ考え込む夕陽を置いて歩き出した。


『待ってよっ!!』


ガシッ!!


急いで追い付くと弾みで大斗の上着の裾を掴んでしまった。

急に引っ張られて、びっくりした大斗は振り返る。


『どした?』

きょとん。と大斗は夕陽を見る。


自分の手を見た夕陽は、自分で驚いてしまい

『きゃぁっ!』

と手を離す。

『なんだよ?その失礼な叫びは…』

少し機嫌が悪くなった大斗は呟く。

『ちがくて…引っ張ってゴメン…』


なんだか、もの凄く恥ずかしくなって苦笑いで返した。


『いいよ。はい。おみくじやろうぜ。』


そう言うと大斗は夕陽の口にたこ焼きを突っ込んだ。

『はっふん!!』


モグモグしながら「あっうん」と答えたら、ちゃんと言えなかった…


『顔…まんじゅうみたい…』


プププッと大斗は笑っていた。


『もぅ!!』


そんなあたしの反応は無視して、大斗は同じ串を平気で使って、たこ焼きを食べている。


なんか…///恥ずかしい…


考えてる事を読まれるのは嫌だから平気な顔で大斗の後に続いて行った。


――――――


『『大凶…』』


2人揃って大凶…