『別に、なんとなく…』
しゃがんだままダルそうに顔をあげて大斗は言った。
『いいいいつから居たの?』
慌てて問うと…
『今…』
『そ、そう…』
散らばる煙草の吸い殻には触れないことにした。
『相変わらず七五三だな』
大斗は夕陽を見上げていつもの様に片眉下げた顔。
『あ…うん…』
思わず呟いた。
『それじゃぁ…バイク乗れないな?』
『あ…うん、着替えるっ』
ドギマギ夕陽は言った。
『いーよ。』
『へっ…?!』
『歩こうぜ。どうする?』
どうするって…
何をどうするの…
…―
あーじゃぁ…
『お参り…』
あたしは何故か咄嗟に言ってしまった。
『また行くの?』
じっと夕陽を見て言う大斗。
なんか…ドキドキしちゃう…
もうっ何でいきなりいるのよ…
考えてること、ちんぷんかんぷんっ
『行く…の…』
小さく呟いた。
『よし!!』
大斗は吸殻を片すとパンッと立ち上がった。
そして、スタスタ歩き出す。
『ちょっと待ってっ!』
―わっ!!
バッターン!!
『きゃぁぁぁあっ!!』
夕陽は慌てて追いかけようとして転んでしまった。
か…かっこ悪すぎっ…
もぅヤだ…何か泣きそう。
『全く…何やってんだよ?キレイな服が汚れる』
へっ…?キレイ…?
大斗は振り返り夕陽の目の前にしゃがむ。
『服じゃないもん。着物だもん…』
転んだまま言う。
『知ってるから、はい』
――グィッ!!…
へっ…?!
『わわわっ!!』
大斗は夕陽の手を取って立ち上がらせた。
『あ…ありがとう…って!!うわぁぁあっ!!』
そうして夕陽は歩き出そうとするが…
自分の左手は大斗に握られたまま離される事はない
『えっちょっとっ…』
『お前…おせぇから』
大斗は夕陽の手を引いて平然と歩き出す。
うわぁぁぁああーー!
これは…これは…