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12月の早朝の空港は、まだ真っ暗だった。

バイクを投げるように停めて、また大斗は夕陽の手を引く。


バラバラと人が居る中を駆け抜けて…


きっと…探さなくても見つけられる…

それは確信していた。


ほら


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「咲はどこに居ても見つけられるな」

「嬉しい事言うねクソガキ♪そうなの♪??」

「派手派手だかっら…イッタッァッ!!蹴んなよっ!!」

「あんたね?あたしが好きだから見つけられる♪とか可愛いこと言ってみなさいよ?」

「んだよそれ…だって好きじゃねぇもん…」


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ほらね…



やっぱり、どんなに人が居てもわかる。

咲さんはそんなオーラの持ち主…




『『咲っ!!』さんっ!!』




夕陽と大斗は咲の背中に叫んだ。


『大斗っ!!夕陽ちゃん!!』


咲は歩みを止めて、振り返る…


それと同時に太陽が空の黒を薄めていく…


『来て…くれたんだね』


少し距離があるまま咲は言った。


『本当はちゃんとわかってた。来てくれるって信じてた』


優しい笑顔と共に…




『大斗…おはよう』



はにかみながら言葉を産む。


キラキラと笑みが零れる…


大斗はそれに、笑うだけ。

とても穏やかに笑うだけ。


言葉なんて、2人には必要…無いのかもしれない…最初から…


『夕陽ちゃん…ありがとう…』


次に夕陽に向けて優しく話す。


『さ…咲さん…っ』


『あたし…頑張るね!!効いたよ、夕陽ちゃんに「バカ!!」って言われたのっ♪』

クスクス笑う。


『「バカ」なんて言って…な…?――…ッ!!うわあぁぁ!!すみませんっ!!』


『ありがとう』


あたしは…苦笑いを返した。


咲さんはそして、また大斗に向き直る。



『大斗…あたし、あんたには負けないから』


勝ち気な顔で言う。

大斗はフッと笑みを溢し


『知ってる』


と満足そうに一言言った。