――――――
『懐かしい…』
『は?何が?!』
『こっちの話…』
俺は小さく笑って…構わず、夕陽の首筋にキスをする。
『ひろ…』
――
動けない…
大斗が嫌だとか嫌じゃないとかじゃなくて…
大斗があたしを見る瞳から動けない…
金縛りに遇ったみたいだった…
何にも考えることができない…
どうしよう…
大斗はまたポツリと呟く。
『オバケが怖くて…』
――――――
「大斗ぉー肝試しでもするぅ??神社行くよ神社♪」
「―…」
!!
「うっわ…!!見事にボッコボコね…」
「お…オバケと…間違えた…」
「オバケなんていないわよ…罪のない人達こんなして…って夜中の3時にこんなとこ居るコイツ等のが悪いか…♪」
―――――
次々と咲との想い出が溢れてくる…
何でだ…
夕陽がいると…話してしまう…
『オバケと間違えて、神社で一般市民やっつけた…』
"ななな何の話?"夕陽は瞳だけで、そう言っていた。
やっぱり構わず
今度は頬にキスをした
止まらない…
夕陽の体温が温かすぎて…ただ触れていたかった…
無意識の内に、夕陽のコートのボタンを外していた…
―――――――
「これ…何?」
「あたしたちsexしたんだよ」
「知ってる…」
「じゃぁ聞かないでよ…。大斗は…色んな女を抱きなよ…気が付くまで…」
「何に?」
「だから「何」にを気付く為よ」
「―…」
――――――
『咲が…女を沢山知れって言ったんだ…』
俺は何を言ってるんだ?!
夕陽に何をしようとしてる?!!
『それは!!咲さん、が…自分を…見て、欲しかったんだよ!?大斗に自分だけを見て欲しくて…大斗がそれに気付いてくれるの…待ってたんだよ!!』
――
きっと…そうだ。
咲さんはあんなに何でも持ってる素敵な人なのに…
本当はすごく不器用で…
「自然と気付くまで…」と言う言葉の内は、こういうことだったんだ…
あたしバカだ…やっと気が付いた…