「光輝さんはどうしてる？」
授業参観の日に拓ちゃんが…
さっき咲さんが…
『咲さんの元彼？！！』
そんな…
『この写真の文字…』
ウェディングドレスの上に手書きで書かれた文字…
―I love you Forever―
『光輝…５年振りに来た連絡がそれ…』
『この…ブランドの名前…【SA咲KI】って…』
咲はまた頷く…
『あたしの名前。１２月２４日は、あたしの誕生日…』
『誕生日…今日…っ？！』
嘘…
あたし…
涙が…
これは、何の涙…？
苦しい…
夕陽は慌てて文章を読み出した。
英語ができてこんなに良かったと思った時はない。
文字が滲んでなかなか読めない…
『さ…咲さん…コレ…』
『泣かないで…夕陽ちゃ…ん…っ』
そう言う咲も涙を流す…
静かに静かに…
２人の涙が冬の空間に溶けていく…
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今日、ニューヨークで新しいブランドが立ち上がる事が発表された。
デザイナーは若年２８歳の日本男性、川瀬光輝(ｶﾜｾ ｺｳｷ)。
今、ニューヨークのファション業界は彼に一際注目を置く。
N.Yにてこの若さの日本人デザイナーは初めての事。
川瀬は今から５年前に日本から渡米し、ニューヨークで名を効かす価のジョンソン･フィールの元に弟子入り。
実力を認められ、階段を駆け上る。
そして今年の１２月２４日新ブランドを名を【SA咲KI】としてデビューが決まった。
テーマは「花が咲く」
春の作品を【チェリーブロッサム】と題し、日本の桜の花の色をイメージ
白の中に極僅かな淡い桃色を入れた作品を展開。
他の色は何も使わないのだ。
その作品第一作目が
その色で作り上げたウェディングドレスである。
彼はそのドレスを非売品の看板として、ニューヨークに店舗を置くことになる。
その斬新かつ思い切った作品は、間違い無く、世界の注目を浴びるだろう
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『これ…』
咲は夕陽の言葉を遮った。
『光輝があたしに当てたメッセージ…』
