あたし…拓ちゃんの事好き過ぎて…
何も言えなくて、
拓ちゃんの気持ち見えなくなっていた…
共存…?
一緒に…お互いに
分かり合うってこと…?
『相手を思ってるのは"つもり"だけ、実際は自分の事しか考えてないのよ』
あたし、拓ちゃんしか見えなくて。
それは結局、自分の事しか考えられてなかった事だって知ってる。
『あたしと大斗は…2人でやっと1人のモノになるの。同じモノすぎて、このままだと永遠に独りきりの世界に墜ちてしまう…うううん、もう墜ちてる…ずっと、墜ち続けてしまう…。』
だけど…
『そんなのってないよ…』
咲は首を振る。
『いつまでも…こうしていたらいけない事…あたしも、大斗も気付いてたけど…きっかけが無くて、弱すぎて、別々に歩めなかった。あたしも大斗も離れられなかった。』
『だったら離れなければいいじゃない!!』
『夕陽ちゃん!!別々の道は別れ道じゃないんだよ。お互いを守り抜く最良の手段なの…相手を幸せにする手段…』
そう言って咲は鞄から何かを取り出した。
『これ見て…』
雑誌…?
『そんな時に、これが、ひと月前くらいに送られて来たの…』
英語…?
『何ですか?』
『アメリカの有名なファション誌よ…』
きょとんと見つめる夕陽に咲はあるページを開く…
『夕陽ちゃん…英語読める??』
夕陽は頷くと、戸惑いながらページに瞳を落とす。
On December 24,
I am open in new brand
【―SA咲KI―】
N.Y of the spring
The collection of the spring
"Cherry Blossom"
12月24日、
春の新ブランド
【―SA咲KI―】
N.Yにてオープン
春のコレクションは『桜の花』
[By.K.kawase]
―I love you Forever―
『ケイ…カワセ…?』
咲はただ頷く。
K…コウキ…
カワセ…?!