『それじゃぁ、どっちかが倒れたら共倒れなの。あたし達は、自分で立てなきゃいけない。そうした上で、お互いを支えられなくちゃいけない…でも、一緒にいたらそうなれない!!』


そんなの理解できない…


『そんなのわかんない!!』

夕陽も大声をあげた。


『聞いて!!あたし達は依存していて、お互い以外を見ないだけ。恐いんだよ、同じ者同士で居たら安全な事を知ってるから。』


わかんない…


『でも…いつまでもそうしていたらいけない。だって目の前の世界が闇なのは、いつまで経っても変わらないのよ…』


咲さんと大斗にしかわからない世界があるのを知っている…

でもそこは、闇なの?


『わかんないよ…何で咲さんはそんな顔してそんな事言うんですか?』


涙が出てきた。

胸が苦しすぎて…

耐えられなかった。


『そんなの、あたしが大斗を好きだからだよ』


咲さんの真っ直ぐな瞳…

それが、あたしを捕らえた。


『あたしは世界で一番大斗が大事。だから一緒に居られない』


『そんなことない!!好きなら大事なら一緒に居なくちゃ駄目でしょ?!』

『そんなことあるんだよ。好きでも…一緒に居られないことあるよ。夕陽ちゃんだって、拓巳の事好きだったでしょ…』


拓ちゃん…あたしが好き過ぎた人…


『あたしは、好きだったけど、拓ちゃんが幸せならそれでいいって…』


―…ッ!!


『あたしは大斗に世界で一番幸せになってほしい』


それは…でも…


『でも…拓ちゃんとあたしと大斗と咲さんは違う!!』

『ちがくないよ。夕陽ちゃんと拓巳だって、相手を想う1つの愛の形でしょ?』


『嘘だ…そんな愛…』


後の言葉が出ない…

そんな愛が無いとは言えない気がして…

でも…そんなぁ・・・


『嘘じゃない。人は独りじゃ生きていけない、でも依存したらいけない、共存して生きていかなきゃ。』