何…コレ…?
一瞬にして周りの騒がしい音は聞こえなくなった。
メールの文章が咲の声になって、ただ頭の中を埋めつくす。
【-夕陽ちゃんへ-】
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|突然、メールをしてしまって、
|…ごめんなさい。
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|しかもクリスマスに…
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|あたし…夕陽ちゃんに
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|話さなきゃいけない事があるの。
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|ずっと、言えなくて…
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|大斗には、さっき言ったところ。
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|あたし…
|最後に夕陽ちゃんに会いたい。
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|きっと忙しいと思うけれど、
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|あたしの自分勝手な
|我が儘を聞いてください。
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|少しだけ、時間をください。
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|YUKIビルの屋上で待っています。
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|タクシーの人に言ってくれたら
|場所はわかるから…
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|ごめんね…
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…―
何?
どういう事?
「何か、最近あんな…何なんだろうな?」
あの時の大斗の言葉…
何かを感じていて…
寂しそうな顔…
視界が一気に真っ暗になった。
[最後に…]って何?
『…―さん?片桐さん…?』
携帯画面を見て固まってる夕陽を見て雅が声をかける。
『あっえっ戸塚君?えっ?咲さんが…あのっちが…ごめん…あたし…ちがうっ!何?!待って…っ』
夕陽は戸惑いながら、雅にわけわからない言葉を発している。
『片桐さん?!どうしたの?』
『ちがくて…あたし…行かなきゃ、咲…さん…きっと…ひろ…と…』
きっと大斗が…
『神崎?』
行かなきゃ!!
『違う!!ごめん…あたし帰る!!』
夕陽はカラオケから飛び出した。
急いでタクシーを拾う。
心臓がおかしいくらいに鳴ってる…
すごい嫌な予感がする…
大斗…
夕陽は大斗に電話をかける。
〈ただいま電波の届かない…〉
留守電?圏外?…ッ
咲さん…
ツーツーツー
話し中?出ないのっ?!!