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体育館から教室に戻る夕陽達。

『今日も良い天気♪』

そう呟いて席に座る。

『あ…』

ベランダの隅に置いた雪だるまに視線を落とした。


『溶けちゃった…』


今日の太陽は雪だるまを小さな雪の固まりに変えていた…

そうして、ふと窓から見上げた空に1つの飛行機雲。


『あーぁ…』


これだけ良い天気だからしょうがないけど、何だか寂しい…


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『初詣行こうね♪』

『ハッピークリスマスイヴぅ~♪』

『良いお年を♪』

『じゃぁ片桐さん、5時に駅前ね』

『うん』


うん、しょうがないよね…


気を取り直して夕陽は家路に向かった。


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『よぉし!!呑むぞー!!!』

遊園地を後にした大斗と咲はお洒落なレストランに来ていた。

『レストランは飯食うところだろ?』

『大斗が「レストラン」って単語言うと超似合わないね!それにね、あたしからお酒を取ったら残るものは一体何か教えてほしいわ?』

『ブハッ!仮にも女が、相変わらず逞しいな!!』

『まぁね♪人生力強く生き抜かなくちゃ!!いこ♪』


― ― ― ― ―


『俺、ハンバーグ』

大斗はメニューを開かず言った。


『そう言うと思ったよ。』

『ここのハンバーグうまいもん♪』

『そうだね』


咲はそして…

店内の真ん中に立つ大きなクリスマスツリーを見つめる。


『あたし…あの頃、大斗がたまにちょっと笑うのがあたしの楽しみだったよ』


『知ってる』


『今も変わらないよ』


そう言って大斗を見つめるその瞳から…

大斗は瞳を離せない…


『俺も…』

『んー?なにぃ~?』


「咲さんの笑顔って不思議…何もかも忘れてしまいそうになる…ね」

夕陽の言葉が大斗の胸を過った。


『咲が笑うから笑うんだ』


ほら…

今みたいに…


『あたしたち、あの頃のまんま何にも変わってないね…』


咲は、静かに小さく微笑んで言った。