『ひぃちゃん?』

『あ…あたし、独りだ…』

夕陽はポツリ…


しまった…

あたし最近恋から遠退いてたんだ…

高校生の初クリスマスに独りぽっちとは…


とたんに、しゅんとなる。

『あ?!ねぇねぇ片桐さん?!』

そんな夕陽を見て雅が声をかける。


『俺たち、1組のヤツ等と男も女も暇なヤツ集めて遊ぶけど、良かったら一緒にどう?なんなら2組も誘ってさ♪』

と言った。

『え?!いーのぉ♪』

夕陽は、ぱぁぁ♪と笑顔を取り戻す。


2人とかじゃないし、「フラフラ」にはならないよね?


『みんなで騒ごうよ♪折角だし』

そうして、夕陽は雅達と遊ぶ事になった。


結局その日、大斗は学校にこなかった。


―――――――
―――――


〈もうすぐ準備終わるから今から迎えに来てー♪〉

『何で車じゃねぇんだよっ?!』

〈だって久々に大斗のバイクに乗りたくなったんだもん♪〉


ったく…。

相変わらず突発的な女…。



大斗はバイクに乗って家を出た。


― ― ― ― ―


『おはよぉ大斗♪』

ドアが開くと淡いピンクのコートに身を包んだ笑顔の咲が居た。

『そのピンク…歳考えろよ…』

大斗は優しく笑っていた。


『もぅっ!!珍しく大斗の前で洒落込んだのよ♪少しは褒めなさいよっチビ!』

『はいはい。今やチビはお前だけどね。』

と咲の頭をポンポンとして返す。


『もぅ!!いつの間にかデッカくなりやがって。今日はね、行きたい所があるんだよ♪』

背の低い咲は大斗を見上げた。


『どこも混んでるよ…』

苦笑いの大斗に

『いーの!!早く出しなさいよ』

いつもの調子で勝ち気な咲は早々バイクに股がった。


― ― ― ― ―


『よりによって…何でここだよ?』


沢山の賑わう声がする。

キャーキャー叫ぶ声がする。


『遊園地ぃ~♪超久々ぁ♪』

両手広げて、大はしゃぎの咲を「全く…」と、でも穏やかに見つめる大斗。