位置的に窓から入って来てるじゃないよね?
桜…4階まで飛んでくるんだなぁ♪
引き寄せられるようにフラフラ近付いて行くとそこはやはり階段で、屋上の扉の隙間から花びらが落ちてきているんだとわかった。
踊り場は扉から光が差し込み道を作る…。
更に向かいの廊下の窓からも光を受け―
暗闇に明るい筋が交差する―
その中を薄ピンクの花びらがチラチラと舞っていた…
夕陽は、少し階段を上がり「立ち入り禁止」の張り紙がしてある扉に手をかけた。
ドアを閉めきらずに鍵をかけたらしく、かけられるはずの出っ張った部分が、ちょうどドアをつっかえる形になっていた。
誰かさんは、鍵かけきれてないし、
まぬけ。
思わず独り小さく笑ってしまった。
ふゎぁー
扉を開けると、春風と供に舞い散る桜。
いい場所みっけ♪
あっ…
誰かいる…
雑誌で顔かくしてるから見えないけれど寝転んでいる人がいる。
ふぁーぁ。。
ねむ…っ。
ドアが開いた?
恭次が来たか?
『きょうちゃーん!早かったねぇ?つーか、お前このエロ本…』
寝転んで雑誌を顔に被せたまま、特に体勢は変えず話しかけたが、最後まで言い終わらない内に
ブヮサッ――!!
雑誌は剥ぎ取られた!!
『「激裏!!海外流出!!金髪美女♪」なにこれ?!こういうのがお好みでスカ??』
エロ本を日差し避け代わりに寝ていた為、急に眩しい光が直撃する
『おいっ!!恭次って……あ。…片桐さんっ!』
うわ昨日の変な女!!
夕陽は呆れ顔で彼の頭側に立っている。
寝転んでいたのは昨日会った大斗だった。
『もうちょっとこっち』
真上に見える夕陽に指でチョイチョイこっち来てと合図して
『もうちょい来てくれたらパンツ見えそ…♪』
言い終わるかそうでないかの内に「(激裏!!)海外流出!!金髪美女♪」が大斗の顔面目がけて今度は落下した。