夕陽の慌て振りに大斗はお腹を抱えて笑っていた。

『ねぇねぇ?何で隠れてんの?』

楽しそうに大斗は掛け布団を引っ張るが夕陽は頑として離そうとしない。

『あのね、あのねっ…あーヤダーーッ!!もぅ!!捲んないでっ!!』

『ギャアギャアうるせぇなぁ…』

大斗は「わけわからん」と呟く。

『あのあの…もう!!だから顔洗ったらメイク道具全然持ってないの…気付いたの!!大斗帰ってくると思って、布団で隠してたらっ気付いたら…寝てたの…』

夕陽は語尾は小さく叫ぶ。

『バカか?いいから顔出せよ?!』

大斗は再び布団を引っ張る。

『やめてっやめてっ!!』

『あのなぁ?夕陽のスッピンなんてとっくの昔に見てんだよ!!』

『嘘つき!!スッピンになった記憶なんてないもん!!』

『はぁ?!ファミレスでしょ?海でしょ?』

呑気に言う。


あっ!!あーっ!!

…咲さんと初めて会ったファミレス…。

拓ちゃんを学校で初めて見た日…超泣いて…


『いやぁぁあああーっっ!!』

大斗はまた大爆笑。

『あの時のドロドロの顔はホラーだったぞ?まだスッピンのほうがよっぽどマシじゃねぇか?!』

サラリと言ってのける。

『っでも嫌なもんは嫌っ!!』

布団を掴む腕に力を込めた。


『ったく…お前は本当に世話が妬ける…』

大斗は、はぁぁ~と大きなため息をつくと

『じゃぁ、俺の秘密を見せてやるからさ♪』

とまた耳元で陽気に言った。

『絶対楽しんでるしっ…耳元で言わないでよっ!!…でででも何??』

夕陽は布団の隙間を開けてチラッと大斗を見る。

『何だかんだ言って気になるのね♪』


バッ!!


その拍子に大斗はおもいっきり布団を捲ったので

『きゃーっ!!』

すっかり奪われてしまった。

『ヤダッてばっ!!って…えーッッッ!!やめてよっ!!なにっ!!ぬっ脱いでるのよっ///』

夕陽が顔を背けようとするより早く大斗は着ていたスエットを隣で脱ぎだした。



え…


『バカ?何、赤くなってんの?』

大斗はにやにやして言う。


…!!


『あ…』