『お前泣きすぎじゃねぇ??』
片眉下げた大斗は立ち上がって夕陽に近づいていく…
わわわっキスされるっ…!!
身体に力を入れて瞳をギュッとつぶるが…
大斗は彼女の頭をポンポン優しく叩くと、
『しねぇよっエッチね♪』
と笑い、
『コンビニ行ってくるから、泣き止んどけよ』
と優しく続ける。
『あ゙りがどぉぉぉ…グズッ。。。』
大斗は朝焼け照らす世界へと出ていった。
ドアの隙間からカーテンに仕切られた薄暗い部屋に朝日が入り込む。
キラキラキラキラ光が踊る。
夕陽が、いつか見た
初めて屋上へ入ったあの時のように…。
新しい朝…
『もう…』
バイクの走る音が聞こえると、夕陽はペタリと力が抜けてその場に座り込む
そして、うわーんと大泣き。
拓ちゃんへの引きずってた想い…
嘘みたいにスーっと遠退いてった…。
もう本当に…平気。
なんだか今までと違う
あの扉から出ていって
それで…
代わりに朝日が舞い込できた…
そんな…
世界が新しくなる…
そんな…気がした…
あたしは、ものすごく胸がいっぱいで、
なんだか気持ちを…
うまく表現できなくて…
咲さんを呼ぶ声に…
切なくて…
あたしを…呼ぶ声…
大斗が優しくて…
その音は…嬉しいのに…
胸が苦しい…
もらったお財布を抱き締めて沢山泣いた。
―♪―♪―♪―
暫くして独り泣く部屋に夕陽のメール着信音が響く…
大斗から…?
[肉まん食う?]
えぇっ?!これだけ?!!
しかも、大斗からメールって初めじゃない?
肉まんって…
クスッ。
携帯画面を見て夕陽は笑う。
[ピザまんがいい♪]
と返信した。
メールのお陰で涙が止まったので洗面所に行って顔を洗う。
……っ?!