『大斗が魘されながら電話かけてきたんだけど…』

呆れながら答えた。

『え…?あ…そうだ。夢かとおもった…じゃぁ…』


大斗はハッとなると台所にスタスタ行って水を一気に飲み、

カツン

グラスを置く音が部屋に響く。

夕陽は彼の背中を見つめていた。


『わりぃ…ごめん…なんか色々…』

その場で背を向けたまま、大斗は小さな声で呟いた。

色々思い出したようだ。


大斗…変…。

しかも…真っ赤だし…


夕陽はクスクス笑って

『どういたしまして』

と小さな声で返事をした。

そして立ち上がると

『何か食べる?』

と優しく言った。

『食う…』

『じゃぁ、熱計ってみて?』

『はい…』

夕陽は可笑しくなってしまう。


なんか、大斗が生意気じゃないから、違う人みたい。

ちょっと可愛いし。



『何笑ってんだよ?』

『べっつにー♪』

夕陽は大斗の居る台所に向かう。

大斗はベットに戻る。


―――――


『下がってる!!昨日40℃越えてたんだよ?!すごい生命力!!』

デジタル表示を見つめて夕陽は呟く。

大斗は何も答えず昨晩とは違うお粥を口に運ぶ。


『学校…休むでしょ?』

『うん。お前は?』

『あたしも行かない。眠いし。。っフフッ』

『そ。…―って笑うなっ??』

『いやぁねっ。昨日大斗が弱々しくって、思い出し笑いっ。あんた覚えてないんでしょ?』

クスクスと笑う。

『夕陽…ちゃん…??』

『アハハー何です?』

笑い声を押さえながら答える。

『俺…昨日、うる覚え…。変な事…言った??』

『…―』

夕陽は無表情で何も答えなかった。

出来事を思い出すと笑うこともできない。


『別に』

チラッと大斗を見ると納得いかない怪訝な顔。

夕陽は黙って食器を片す。


だっだ、だって、変な事だらけだったってば…っ!!

ドキドキ…


『おーい?!夕陽ぃ~』

大斗は夕陽の背中に呼び掛けた。