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文化祭を終え、中間テストも終わる。

月日は11月も末。

冬が顔を出し始めた木枯らし吹くある日曜日。

夜11時を回った頃、夕陽の携帯が鳴った。


~♪~♪~♪~


―着信。バカ大斗―

『はいはーい?!バカ?』

夕陽が元気にでると


〈―……死…ぬ…―…〉


―ツーツーツー
―――。


一言だけ聞こえた後、切れてしまった。


はい??


何事かと彼女はかけ直すが…

〈只今電波の届かないところにいるか、電源が…〉


はい?留守電?


夕陽は受話器を見つめて独り首をかしげた。


死ぬ…?って…えっ?!


彼女は何だかやけに不安になってしまい、鞄に財布と携帯を突っ込むと慌てて家を出る。

しかし、11時の時間に気付きハッとなり、再び家に戻るとタクシーを呼んだ。


「夜中に独りで歩くな」と前に大斗に言われた言葉を思い出したのだ。

車に乗りあっという間に大斗の家の前。


急いでインターホンを押すが返事はない。



留守…?


携帯にかけても依然圏外のまま。

夕陽はドアノブに触れてみた。


カチャッ…


あっ…


ドアは鍵がかかっていないようだ。

彼女は「お邪魔します…」とそろそろ中に入っていく。


ワンルームの小さな部屋。

『大斗…?』

豆電球だけ付いた部屋の中…

ベットに大斗は寝ていた。


『大斗…?』

夕陽はもう一度名前を呼ぶ。

『ゔーっ夕陽??』

虚ろに、ゆっくり身体を起こして夕陽を確認すると…

『さよなら…』

バタンと再びベットに倒れてしまった。


はい???


『ちょっと大斗ってば??』

夕陽は大斗に駆け寄って彼の腕に触れた。

『おわっ!!?』

思わず手を離し大きな声で叫んでしまう。


『あっつい…』

大斗の身体はかなり火照っている。

慌てて電気をつけると彼が真っ赤な身体をしているのがわかった。

『大斗っ?…熱?』

「ゔーぅ…」彼は意識が朦朧として魘されている。


えっ…どうしよう…?