バサッと雑誌が落ちる。
パラパラ空調にはためくページ
On December 24, I am open in new brand 【―SA咲KI―】 N.Y of the spring
The collection of the spring "Cherry Blossom"
[By.K.kawase]
―I love you Forever―
『咲!!落ち着け!!』
マスターは雑誌を拾い上げ咲を宥め座らせる。
『しげさん…?これ…どういうこと…?』
手紙もない一冊の雑誌、
そのメッセージはウェディングドレスの写る大きな写真の上に…
印刷ではなく直接手書きの文字で書かれた
[I Love you forever]…
『どういうこと…?』
咲はパニックしながら再び声をあげる。
『最近…着信不可能って電話…かかってき?…出なかった、けど…。海外から…?』
マスターは咲の瞳を見据える。
『だって…しげさん…待って…。えっと…大斗に、ひろ、とに…言わないで…。』
『咲、大丈夫だ。』
『あたし…、どうしよう…だって…大斗…あたし…大斗の事…』
『咲の気持ちは良くわかるから、落ち着いて考えろ』
マスターは咲の頭を優しく撫でて言った。
『12月24日って…イヴ…あたしの誕生日…』
『わかったから…焦る事はないから…』
マスターの言葉に咲は小さく頷いた。
冷たい空気が辺りに漂う…。
咲が言った「時間は経ってる」と言う言葉。
咲は何を思って言ったのか?
そして、それを如実に感じるような出来事。
もちろん、そう言った咲自身もマスターも今の展開を予想していたわけではない…。
『―…っ』