『俺…咲の元彼氏の存在知ってる。出会った頃コンビニで会う度にベロベロの咲が、ニューヨークがなんたらって言ってたから…』
夕陽は気が抜けたようにストンと席に落ちた。
大斗…
『お前心配しすぎ。俺は昔を少し思い出しただけ。』
だって…だって言ってるわりにすごい寂しそうじゃんか?!
バカ。
でも…なんだか本人に直接言えない自分が情けない…
『それよりも所詮夕陽の事だ、これ昔小田桐が出してくれたケーキだってオチだろ?』
夕陽は大斗をじっと見て瞳を見開き
『エスパー?!』
と大声をだした。
『バカか?ほらっもう1個頼めよ。おねいさーん、苺タルトちょうだーい!』
大斗は店員に叫ぶ。
また…勝手に…苺なんだから…
夕陽はクスッと笑う。
大斗も笑う。
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あっという間に拓巳の実習期間は最終日。
『残り1日ですが、みんな最後までよろしく』
拓ちゃんとも毎日会えなくなるんだなぁ…あっという間だったなぁ…
クラスのみんなは次々と嘆く。
どうやら拓巳は人気も上々、上手に実習期間を過ごせたようだ。
『寂しい??』
大斗は拓巳を見つめる夕陽ににやっと問いかける。
夕陽は何も言わないが顔がどんどん赤くなっていく。
大斗はそれを指さし「ばーか」と大笑い。