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拓巳が実習に来てから1週間が過ぎ、夕陽も大分なれてきて落ち着いて接する事が出来るようになってきた。
大斗が夕陽と拓巳が話すのに面白がって、いちいち突っ込みを入れるのにも軽くかわせるようになり、夕陽の気持ちはとても穏やかだった。
本当に、不思議…。
変な感じだけど、なんだかもう平気な気がする。
そんな中、今日は実習生の行う授業参観日。
高校の参観日はあまり来る親も少ないが、それでも実習生には緊張する日である。
『お~ぃっ小田桐っ緊張する?』
教卓の前の机の上に座って、いたずらっ子のように拓巳をからかう大斗。
『なんか、実習初日のあの時がテンパりMAXだったからね、平気。神崎大斗、今日は当てるからな♪』
『あぁ♪あの時ねっ』
なんで?心なしか仲良くなってない?この2人?!
しかも友達みたいなんだけど…っ!!
「あの時」って、私が拓ちゃん見て逃げた日のことでしょ??
夕陽は少し怪訝な顔で2人の会話を見つめていた。
少しずつ参観者がやってくる。
授業のチャイムが鳴り終わる頃カツカツとヒールの音が聞こえ…
ガラッ!!
『セーフ♪』
ドアが開き小さく呟く声と共に入って来たのは…
『『っ咲っ!!』さんっ!!』
夕陽と大斗が同時に声を上げる、咲を知る南深や杏も驚き顔。
しかし…
ガタンッ!!
一番驚いている人は教室の一番前にいた。
拓巳は背の後ろの黒板にぶつかるくらい後退りしているではないか。
『『しっ知り合いっ??』』
夕陽と大斗はまた同時に叫び咲を見る。
咲は満天の笑みで
『やっほー♪』
と両手を振っている。
2人がまた同時に拓巳に向き直ると、そこには頭を抱えた実習生の姿があった。
『ありえねぇ…』
困惑した拓巳は先生ではなく素の姿で嘆いている。
『ちょっと、拓ちゃん??』
夕陽も困惑して拓巳に問いかける。
『拓巳~久しぶりぃ』
咲は小さく呼んで上機嫌だった。