度々、優衣さんと拓ちゃんと3人で会うようになった。
複雑な気持ちがコントロールできなくて、拓ちゃんと居る時に、あたしはきっと以前より笑顔が消えていたと思う。
多分、拓ちゃんはあたしに気を使って呼んでくれてる。
なのに勉強の横で、あたしはいつも黙っているしかできなかった。
拓ちゃんはあたしを大事にしてくれる。
あたしが心配しないように、こうして呼んでくれる。
いつも送ってくれるし、電話もくれる。
休みの日には遊びに連れて行ってくれる。
受験の中でも出来るだけあたしとの時間を作ってくれている…
言わなくてもあたしの気持ちを読んでくれる。
なのに、あたしは贅沢で、もっと一緒にいて欲しいと思う一方だった。
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雨が降りしきるある日、拓ちゃんが席を外してる時に優衣さんは言った。
『ごめんね…夕陽ちゃん。いつも邪魔して…』
勉強の邪魔してるのはあたしなのに…
『ごめん…』
優衣さんは小さく呟く…
そして、あたしの顔を見て
『ごめん…あたし…拓巳が好き…前からずっと…』
えっ…?!
嫌だ。
そんな悲しそうな顔で言わないで…責められないじゃない…?!
ガタッ!!
あたしは居たたまれなくなって立ち上がった。
もう帰ろう!!
席に戻りかけた拓ちゃんがそれに気付いて
『夕陽…どうしたの?』
と声をかけてくれる。
あたしは答えられなくて「帰る…」とだけ言って走って出ていった。
拓ちゃんが追いかけてくる。
『待って!!』
ドンッ!!!
キキーッ!!!
!!