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夕陽の家の前。

バイクを降りると彼は

『寂しい?何なら一緒に寝てあげようか?』

悪戯顔で笑いながら言った。

彼女が怪訝な顔で返すので、大斗はお腹を抱えて「ぶっさいくー」と笑ってしゃがみ込む。

『もぅっ…!!でも、ありがとう』

上から夕陽は言葉を落とす。


大斗は立ち上がる。

そして、彼女をじっと見て言った。

『そんな顔するとまたキスしたくなる』


えっ?!…


大斗は夕陽の呟きに彼女の頭をポンポン叩いて、

『冗談♪』

と、にぃっと一度笑って帰って行った。


玄関前で突っ立つ夕陽。

『がっ外人…っ…』

走り去る姿を見て真っ赤になってしまった。


大斗はわからない…
へ、変なこと言わないでよっ。バカ


ふーっと大きくため息をついた。



ねぇ…?

拓ちゃん、

もう夏が終わるよ。


あたし頑張ってるからね…


少し気分が晴れた様子の夕陽は部屋に入ってぐっすり眠ることができた。