いつの間にか、リビングの2人のことを
忘れていた。

いったん料理を作り始めると忘れちゃうんだよね…

「完成~」

ちゃんと人数分を作っていた私ってエライっ!

スープをよそって、サラダも作って
最後にオムライスをセットして…

「……ですからね?」

ん??

なんか真剣に話してるなぁ…

でも、お腹空きすぎてるから我慢できないし

「ねぇ…オムライス作ったけど…食べない?」

「お前…いなくなったと思ったら…
お前が作ったのか? なら食べる。」

「お姉ちゃんが作るのなんて、久々だね。」

キッチンのテーブルを見て、沙奈と私は定位置について
社長は、沙奈の真向かいに座ろうとしていた。

「俺のだけ、でかくねえか?」

「それぐらい食べると思ったから…
パパは、いつもそれぐらい食べるから
パパ基準だし。多かったら残していいから。」

社長のオムライスは私たちのオムライスより
2倍大きく作ってみた(笑)

『いただきます』

スープもサラダもおいしい!
残るはオムライス…

家族以外で、私の料理を食べる人って
大輔以外いなかったからドキドキしちゃうんだよね…

「…うまい…」

その一言を聞いて、留めていた息をホッと吐き出した。

「良かった。沙奈おいしい?」

「うん。お姉ちゃんみたいに、
料理がうまく作れればいいんだけどなぁ…」

「料理は慣れと愛情のみ!
沙奈だって、誠のためだったら頑張れるでしょう?」

笑いながら沙奈に言ってみたら

「お姉ちゃん!!
もぉ~… 
まだ、誠さんとお付き合いしてないんだから」

「でも、両想いじゃない。なんなら
誠の連絡先教えてあげようか?」

「いい。月曜日に話しかけてみる…
お姉ちゃん、おせっかいしなくて良いからね!」

「はいはい。顔真赤にして…
沙奈が幸せになってくれなきゃ、私が
幸せになれないことは覚えておいてね。」

笑いながら、沙奈にそう伝えたら

「お前も幸せになるんだよ」