私が、そんなことを考えている事に
社長が気がついた。

「お前、何むくれてんだよ」

「むくれてなんかないもん…」

「むくれてんじゃねえかよ…」

優しい顔をしながら頭をポンポンとされて
自分が子供のように感じた。

私と4歳も違うから、何でも解っちゃうのかな?

「あ… すみません。両親は夕方まで外出してますが・・・」

私たちをみていた沙奈が思い出したかのように
社長に言った。

「夕方ですか。わかりました。
また改めて夕方にお伺いさせて頂きます。」

夕方に来るの??
何しに??

「両親にどのようなご用件ですか?」

沙奈が、私の疑問を代弁してくれた。

「お姉さんと結婚を前提とした
お付き合いを許して欲しいので、ご挨拶をしたい」

ほぇぇぇぇ??!

「しゃ… 昶さん?!
それは出来ないって昨日言いました」

「それは聞いた。お前が見合いをしなければならないことも。
ただ、これはご両親にとってもいい話だと思うぞ?」

「あの・・・あなたは?」

「工藤 昶と申します。
お姉さんと沙奈さんが勤めている会社の社長と
言えばお分かりになりますか?」

「社長?! 失礼いたしました。昨晩の失礼な態度を
とってしまい、大変申し訳ございませんでした。」

あぁ…
驚くよねぇ…

私も驚いたもん

って、思っている場合じゃない!!

「両親にとってもいい話とは??」

いや。。。
沙奈さん。
玄関前での会話じゃないと…

「とりあえず、昶さんも沙奈も中に入ろうよ…」

『あ…』

二人の息もぴったりなんだね(笑)