社長に、自宅近くまで送ってもらい

「ありがとうございました。お洋服はクリーニングして
お返ししますね。」

お礼を言って車から降りようとしたら
後から腰に腕を回され、社長の方に向いた

「うわぁ！　なにするんですか？！」

「お前、なんで家の前まで行かせないんだ？」

真剣な顔をして聞かれた。

あまり、家を見られたくないからなんだけど

「そんなに、俺を家族に見られたくないのか？」

「いえ…　あまり家を見られたくないだけです。」

「構わないから、案内しろ。じゃなきゃ妹さんに
俺が怒られる。」

うぁ…　沙奈がいるんだった…

それから、また道案内をして、自宅前まで
送ってもらった。

「ここか？」

「はい…」

「お前、遠藤コーポレーションの娘なんだってな。」

「え"…　何で知ってるんですか？！
隠していたのに！！」

「いや、姉貴が知ってた。
去年のクリスマスパーティーに姉貴が参加した時
お前を見かけたらしい。」

クリスマスパーティー…

あぁ…

パーティーと名ばかりの婿探しの事か…

思い出すだけでも、いやなのに
この人に知られてしまったことの方が
ショックだ。。。

「お？　妹さんが出てきたぞ。」

表をみたら、安心した顔の沙奈がいた。

「お姉ちゃん！　お帰りなさい。
大丈夫？」

沙奈の笑顔を見たら、涙がでてきた…

「さなぁ～…」

車から出てすぐに、沙奈に抱きついた。

「姉がお世話になり、申し訳ございませんでした。
また、送って下さりありがとうございました。」

あ…　お礼を言うの忘れてた。。。

「ありがとうございました。」

「いえ。昨日は突然お姉さんを外泊させてしまい
こちらこそすみませんでした。
ご両親はいらっしゃいますか？」

沙奈と社長で話をしていて、私の入り込む隙がない…

なんか仲間外れにされている気がする…