「佳奈・・・・・佳奈はまだその失恋した相手のこと好きなの?」

夏樹は聞かずにはいられなかった。

「すき・・・・・とは違うと思う。相手ね浮気してたのしかもその浮気相手と結婚するんだって・・・・・」

そういって佳奈は俯いた。

「私ね、彼に彼女がいるの全く気付かなかったの、笑っちゃうでしょ?仕事が忙しいって言って最近会うこともなかったんだけどまさか彼に別の女の人が出来てその人と会っていたなんて・・・・。その相手の女の人、私たちの会社の社長令嬢なんだって・・・男の人ってやっぱり出世に有利な選択をするのかな・・・・・」

佳奈の目はいつしか真っ赤になっていて今にも溢れんばかりの涙を溜めていた。