英語の授業が終わってからもずーっと、そのことばかり頭をよぎる。自分の中で整理できたつもりでも、全く出来ていないこともはっきりと分かる。
ただひとつわかるのは、あたしが考えてるのは晃有のことだけってこと。
ただ、あたしはどうすればいい?
これまでも「友達」としてずーっと隣にいた晃有と、どうすればいいんだろうか。
シアワセの裏にはすぐ不安が生まれる。
そんな言葉も何かの受け売りだけど…確かに、的を得てる。
「………」
とりあえず、学校ではおおっぴらにしたくない。
性質上、そういった話にはすぐに食いつく。その後で「尾ひれを付けて放流する」という何とも言えない生態の持ち主…それが、「中3」という生物。
そんな生物が闊歩するこの教室。自分を守るため、情報という名のエサをとっ捕まえるための情報網を張り巡らせてる。
だからなんだ、と言われればそれだけなんだけど。
あたしだって、誰かのせいでふたりのつながりが断ち切れたら嫌だもんね。だから、ふたりだけの秘密。
とはいえ、晃有を目で追っちゃうんだよね。
これも恋愛のすごいトコ、かな。
「……ふふ」
そんなこと考えてる自分が逆に可笑しくて、思わず笑ってしまった。