「あきな」
夕日に照らされた晃有はまるでカミサマみたいで、思わず息をのんでしまった。あたしはPSPをスリープ状態にしてから晃有に向き直る。
「…晃有っ」
あたしは座席に置いた荷物を反対側に動かして、空間をつくった。晃有が座れるように。
そしたら荷物の袋が滑り落ちて、中身が一斉にオープンする。
「…わっ…」
アンソロとBL系ドラマCDが滝のように落ちていくから。
あうー。
やっちゃったよ。
まるで落とすことがわかってたみたいに、晃有はぱぱっと拾い上げた。で、そーやっていつもみたいに、困ったように笑いながら言う。
「………ばかあきな」
それがなんだか嬉しくて
あぁ、大事にされてるな、って感じて
ありがとう、って思ったんだ
適当に回る世界
それに逆らうでもなく
流されるでもなく
だけどたぶん
今のあたしの世界はキミなんだろう
好きだよ、晃有
一緒にいてくれて
ありがとう