俺は、思わず見とれてしまう。








ホームに止まる電車の中、座るポニーテールの少女。長いまつ毛に伏し目がちな視線が見つめるのは、携帯ゲーム機。



普段より少し早めの時間だからか、電車の乗客は視線の先にたったひとり。時間を合わせるために出発まで少し時間があることも手伝って、俺もまたホームにひとり、立ち尽くしている。


首を軽くかしげて、ふわっと小さなあくび。
「(可愛いなぁ)」
俺の頬もゆるむ。


潤む目を細い指先が拭う。













綺麗だと、思った