それから冬休みまでの2ヶ月の中、晃有がときどき「な、小喬♪」とか言うもんだからあたしはヒヤヒヤしながらみんなに言いつくろった。
「へ…?」
「何?」
ワケのわかってないあーやと、晃有の親友・夏樹は頭上にクエスチョンマークを浮かべて晃有を見る。
「そっ、そーいえばさ!ニコ動のMADが」
必死こいて話題を変えるあたしを見てくくっ、と笑う晃有。みんなに見えないように鉄拳制裁を食らわせた。
けど、なんだか。
ちょっとだけ、
ちょっとだけ、
嬉しかったんです。
ふたりの秘密、ってかんじで。
その時は別に、
なんとも思ってなかった
…気がする。