(´・ω・`)
「ほら、早く行かないと始まっちゃいます」
(*^^)
「う、うん。でも本当に良いの?」
しぃちゃんはゴール裏を気にしながら言う。
(´・ω・`)
「はい。ホントに大丈夫ですから、あまり気にしないで下さい」
(*^^)
「そう・・。じゃあ・・」
(´・ω・`)
「はい、がんばって応援してきて下さい」
(*^^)
「うん。じゃ、後でメールするね」
しぃちゃんは小さく手を振るとゴール裏に駆けて行った。
僕は「ふぅ…」っと息を吐き辺りを見回した。そして近くの芝生に腰を下ろした。
(´・ω・`)
「ビール・・・どこで買えるんだろ・・」
首筋にかいた汗を温い風がくすぐる。
咽がヒリヒリしていた・・。
2001 Jリーグディビジョン2 第33節 大分−大宮
キックオフのホイッスルが吹かれた。
試合は、前半に大宮が先制し、4分後に大分のベンチーニョが同点弾。膠着状態のまま90分が過ぎた。この当時のJ2では、延長Vゴール方式がとられており、延長戦へと突入。
延長戦後半の106分に相手選手に決められ、トリニータは劇的に敗れた。
(´・ω・`)
(負けちゃったか・・まあしょうがないな)
グラウンドの選手達は余程疲れたのだろう、その場で倒れ込んだまま動こうとしない。審判が整列するように促す。
後半の途中から出場したGKの小山がグラウンドの中央に歩きながら、倒れてる選手の背中をポンポンと叩いていく。
整列が終わりトリニータの選手達はゴール裏に挨拶に向かった。皆一様にうなだれてる。
ゴール裏のサポーター達は拍手で迎えた。110分近くを戦い貫いた選手達を温かく迎えている。
と、その中にしぃちゃんの姿も見て取れた。ほぼ中央のやや後ろ側、頭の上で拍手をしていた。
僕はそれを確認すると一人で市陸を後にした。