午後2時ちょうどのキックオフ。

2001 Jリーグディビジョン2の第43節
大分は勝ち点74で4位、一方の甲府は最下位の12位。
試合は大分のペースで進められていった。

前半31分、梅田のシュートがゴールネットに突き刺さると会場全体が揺れた。

僕も思わず立ち上がって「よしっ!」と軽くガッツポーズ。満面の笑顔を浮かべたしぃちゃんとハイタッチ。

ゴール裏ではビッグフラッグが打ち振られマフラータオルがぐるぐると廻されてた。

(´・ω・`)
(そうか、この為のマフラータオルなんだ)

会場全体のボルテージもまた一段階跳ね上がる。

そしてハーフタイム。
ここで現在勝ち点80で2位に着けてる仙台が負けたと言うアナウンスが流れる。再々度「ドッ!」と沸き上がる会場。

「よしっ!」とガッツポーズを取るしぃちゃん。

この試合、絶対負けられない。会場全体がそんな空気に包まれる。
もちろん大分の選手達にもこの情報は伝わっているだろう。
勝てばJ1昇格への夢が繋がる事は会場全体の誰もが知っていた。

そして後半戦のホイッスルが鳴った。

押し込みながらもなかなか追加点の取れない大分。
逆にカウンターでひゃっとする場面も出てきた。

嫌な空気が流れる。

堪らず大分ベンチが動いた。
後半30分、二人の選手を入れ替える。
MFの金本と松橋が勢い良くピッチに飛び出して来た。

この交替が疲れの見える大分の戦士達に息を吹き込んだ。

交替直後、右サイド松橋のドンピシャクロスに頭から飛び込んだのが吉田孝行だった。

咽の奥から欲しかった追加点が入った。

会場のボルテージは頂点に達した。

しぃちゃんは、もうそこら辺の誰ともなくハイタッチを繰り返していた。
それもその筈、しぃちゃんの背中には「11」。
吉田孝行の背番号が揺れていた。

(´・ω・`)
(イケメン好きか!)

会場全体はもう押せ押せムード。残り12分を後押しする。

そしてロスタイムに入ろうかと言うその時、甲府のゴールネットが揺れた。



決めたのはまたしても吉田孝行である。

大分3−0甲府

しぃちゃんは狂喜乱舞、立ち上がってる僕に抱き着いてピョンピョン跳ね上がった。