ちょっと首を傾げて「こんにちはぁ♪」と言うと
「ヤベー緊張するっ」
笑いながら言う彼

恥ずかしくてちゃんと顔みてくれない


でも運転姿がかっこよかった
流れてる音楽も好きだった

緊張をごまかして他愛もない話をした
天気のこと
子供のこと




「ねぇ、…でもさ、ホント俺でいいの?!」
不意に尋ねる彼

「なんで~?!
あたしはけーちゃんがいいの!
…けーちゃんは?」



「俺ーゆめちゃんじゃなきゃ嫌に決まってる!

ホントにホテル入るよ?いい?」

「うん。」

「よしっ、いくぞ!ゆめちゃん」彼はいたずらに笑った

あたしたちはホテルの門をくぐった


こんなことをしようとしてるあたし達が、眩しすぎる太陽の下にいるのがひどく不自然な気がした


皮肉にも澄み渡る空

今日からあたしが変わるのを想像した