(なんだ、あのバカ。
ようやく自分の間違いに気付いたか。)


金石は、
キッチンで作った朝ごはんを口に運びながら、
それを眺めていた。


「沙弥、どこ行ったんだろ?
朝ごはんも食べずにさぁ…。」


水華と木本は待ちきれず、
金石が来た時には、すでに朝ごはんを食べ終わっていた。


「確かにな。
ま、俺の予想だと、
大方金石と何かあった、ということだろう。」


水華と木本に、
金石は沙弥とケンカしたことを言っていなかったが、


木本にズバリ当てられて、
(やっぱり、コイツ分かってるな…。)
と思ったのだった。


「もう9:56だよ!
沙弥、どこなの?!」


辺りをキョロキョロ見回すが、
沙弥はいない。


…というのも、
沙弥が座り込んでいるからだ。