あまりの驚きで、声が出せない。


(ななな…!

なんで岬が俺に抱きついてるんだぁぁぁっ!?!)


どうやら沙弥は寝ている間、
無意識的に金石に抱きついてしまったらしい。


金石が動けずにいると、
ようやく沙弥も目を覚ました。


「んー…。
…あれ?……なんか、あったかい………。

…って、金石かっ!!!」


沙弥は慌てて金石を突き飛ばした。


それは意外にも大きな力だったため、
金石は後ろに寄せてあった机に勢いよくぶつかった。


「いっ…てぇっ!!」


背中を押さえながら、
悶絶していると、


「何考えてんだ!
このヘンタイーっ!!」


沙弥は腹の底から声を張り上げた。


「んだとー!

そもそも、お前が抱きついてきたんじゃねーか!
このバカが!!」