『このゲームが終わってから、
ゆっくり君に触れようと思っていたが…。

もう、我慢できない。』


ゼロは、
沙弥の首筋に顔を埋めた。


「いやぁぁぁぁっ!!」


精一杯叫んだが、
隣で寝ている金石は目を覚まさないし、


誰かが助けに来るわけでもない。


(いや…いやっ…!

このままじゃ…!

どうすればいい?!)


沙弥は目を閉じた。


(考えろ!
考えるんだ!!)


すると、
頭の中で誰かの声が聞こえてきた。


【カ…ゲヨ…サレ…】


(…これだ!!)


「『影よ、去れ』!!」


沙弥は聞こえた声通りに、
その呪文を詠唱した。