すると拓真くんはいきなり私を抱きかかえて歩きだした。 



「え……?どこ行くの?」

「どこって…シャワー浴びたいんだろ?」


「……うん。そうだけど…。」 



バスルームの前にストンと私を降ろして「はい、どーぞ。」と笑顔の拓真くん。 

その笑顔からは拒否は許さないと言うオーラを漂わせているように思える。 



私、今、本当に帰りたい気分なんだけどなぁ……。 

そんなことを思いながらも苦笑いで「ありがとう。」と一言お礼を言って脱衣場に入ると 


―バタン…


私の後ろでドアの閉まる音がした。 


…あれ?私、まだ閉めてないのに。 


拓真くんが閉めてくれたのかな? 


何気なく振り向いて確認すると 


「きゃあ!?」


目の前には拓真くんの胸板があった。 


「………っ、なんで拓真くんが脱いでるの〜!?///」


すでにジーンズを脱いでボクサーパンツだけの姿になっている拓真くん。


それにパニックになって目をキョロキョロさせてしまう。


「え?だから、シャワー。」


「だ、だって、私に貸してくれるって………」


「うん。貸すけど、オレも汗かいたし、一緒に入ろ。」