「お前の、ミライが今望む物は何だ」



「え…?」




クロスの声に、あたしは俯いていた顔を上げ、そっと優しく涙を拭いた。


まだ少しぼやけているけど、そこにはクロスの凛とした顔が見える。


クロスはこんなあたしに対して、怒っていないの…?




「不甲斐無くていい。格好悪くていい。ミライはまだチャームを集めだしたばかりなのだから」



「クロス…」



「さあ言え。ミライ、お前が今一番望む物は何なんだ?」




あたしと同じ杖を前に突き出し、クロスはあたしの答えを待っている。



…心が軽くなったよ、クロス。

貴方の言葉に、もう一度頑張ろう、そう思えたんだ。



あたしが望むモノは…




「―――怖がらずに、恐怖に立ち向かう、そんな強い心が欲しい!」




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